特定技能の技能検定をそれぞれの職種での難易度比較

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日本に出張している間に体調を崩して、特定技能の運用要領など読み込めていませんでしいたが、今日穴のあくほど眺めてみました。

どの業種も現地から採用するには非常に厳しい。

送り出し機関としてもどう関わるべきか、落とし所をどうするのかまだ答えは出ていませんが、うちの会社として将来関わるかもしれないという業種の技能試験を比較してみました。

試験言語が日本語となっている業種は、試験の難易度が高いだけでなく、対象者がすでに日本語ができる人となる。ゼロから勉強する場合は、まず半年くらい日本語を勉強してからでないと、試験を受けてもわからなそうなので、試験の回数が1~2回/年の場合は、ワンチャンあるかないかとなる。試験言語が現地語の場合は、学習開始のタイミングによっては、日本語と並行して勉強したり、先に技能試験対策ができる。

試験が日本語の業種で、ビルクリーニングや宿泊は元留学生などが対象になれそうだが、自動車整備と建設は元留学生も対象にならないと思うので、なぜ日本語にしたのか理解に苦しむ。

業種 言語 学科試験 実技 頻度 開始時期
製造業 現地語 筆記 あり 1回/年 H31年中
ビルクリーニング 日本語 なし 実技 1~2回/年 H31年秋以降
農業 現地語 コンピューター試験 なし 2~6回/年
自動車整備 日本語 筆記 あり 1回 自動車整備技能検定3級レベル
漁業 ルビ付き日本語 コンピューター(○x&選択) あり(写真&イラスト) 3回/年 H31 年度内
飲食料品製造 現地語 コンピューター試験 なし 10回/年 H31年10月~
外食 現地語 コンピューター試験 なし 2回/年 H31 年4月から国内&海外
宿泊 日本語 筆記 あり 2回/年 H31年4月は国内。それ以降は海外
介護 現地語 コンピューター試験 なし 6回/年 その他に介護日本語の試験がある。
建築 日本語 あり あり 1~2回/年

 

製造業は技能試験対策のできる先生がいない。

下記のように職種によって多様なテストがあるので、教えられる先生がどこにもいないでしょう。だからこそ、送り出し機関の商売として見た場合は狙い目ではあります。

工業大学の学生なら筆記も実技も多少は馴染みがあるので、学生のうちにテストを受けて合格してもらい、在学中や卒業してからでもN4を取らせて入国。大学卒業してしばらく経っている人とかも良さそう。教育センターで日本語を勉強しながら、実技テストの先生とまではいかなく、チューターあたりをやってもらうなど。

ほとんどが技能実習経験者がまた日本に行くことになるでしょうが、現地から集める場合は全くの0から実技も日本語も勉強させるのは現実的ではない。なぜならテストが年1回なので、落ちたらまた来年だから。対象者は理系の大学卒業生で、実技はある程度できて、あとは日本語という人でしょう。給料18万くらい出せば、エンジニアで行きたい層が希望してくると思う。

いち送り出し機関や日本語学校のできることではなく、大手送り出し機関が覚悟を決めるか、日本企業がいくつかの工業大学と協力して專門コースを作る可能性はある。

鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、塗装、溶接、鉄工、電子機器組立、電気機器組み立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、工業包装、プリント配線板製造

 

ビルクリーニングは日本語での実技のみ。

筆記試験がなく、日本語での実技のみのよう。日本から專門の先生に来てもらえばなんとかなるかもしれない。しかし試験が年に1~2回とのことで、1回落ちた人はそれで終了。送り出しの立場からは、飲食料品製造や外食などがタイミングが合えばすべり止めで受けてもらう。

 

難しい試験を超えて外で農業をする希望者がいるのか?

農業は現地語のコンピューター試験で実技なしで年に2~6回。もし年に6回行われるなら現実的ですが、わざわざ難しい試験受けて日本語も勉強して、日本で暑かったり寒かったりする中、日焼けして土いじりしたい人がいるか?ベトナムでは特に女性は美白が重要なので、外でやる仕事というだけで嫌われますが、その上難しい試験がついているとなおさら難しい。

対象者は技能実習を終了していてまた田舎に帰ってあまり仕事がないような人がメインでしょう。日本語がN4持っているような人なら、ハードルの低そうな別の職種の技能試験を受けて日本に行くかもしれない。

普通の農家なら行かないが、ハイテクな植物工場だったり、有機だとか安全なこだわりのものを栽培しているようなところなら農業大学の出身者も可能性はあるかなと思います。

これを書いている間に、長崎県が農業人材專門の会社作って、ベトナムの農業大学から入れるみたいな話で、一番現実的かと思いました。

ニュースパス
農業に外国人材を長崎県が新会社設立 (NBC長崎放送) - ニュースパス
https://newspass.jp/a/1f1xz?fbclid=IwAR3N2wzI1NCOf8poaK53E83LKIhFNLHBIBEPc97BTGdTj04Vw54ELaBNqV8
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自動車整備は現地からの候補者ゼロではないか?

日本語で筆記あり、実技あり。しかも年に1回で落ちたらまた来年。自動車整備の短大の学生や卒業生が可能性があるかと思いましたが、日本語での試験だというだけで無理そう。

日本の自動車整備の専門学校は外国人ばかりのところも多いようで、留学生だけが対象ですね。現地から受け入れることは考えない方が良いでしょう。海外で試験をやる意味がなさそうですが、運用要領によると試験は海外のみで国内とは書いていない。何か間違っている。

 

漁業は試験の難易度を下げる工夫をするよう

一応日本語での試験ですが、ルビがふってあったり、○xクイズだったり、実技も写真やイラストを使ったものだということで、難易度は低くするよう工夫するつもりのようです。

私は漁業に行く人にあったことがないし、登録支援機関も一般のところは関われる、漁協のみが行うようなので、ほとんどの日本側現地側の人は関係ないかもしれない。

しかしどこから集めるつもりなのだろうか。これも農業と同じで、元技能実習生でもつらくて思い出したくもない経験だった場合は、N4持っていれば、別の職種の試験を受けて日本に行くはず。

 

特定技能としては最強の飲食料品製造

現地語でコンピュータ試験で、年に10回もある。これは運転免許のペーパーテストと同じで、テキストを丸暗記して、落ちてもまた次があるさとなりそう。

年に2回の外食とか宿泊とかとも共通したところはありそうなので、それらの試験を受ける人が落ちたときのためにすべり止めで受けるテストになりそう。

これは候補者には不自由しないでしょう。最も現実を見ていると思います。

別の職種での元技能実習生とか、元留学生とかだけでなく、全くの0からの特定技能も夢ではないでしょう。給料も16~18万くらいで結構来るでしょう。

多く外国人を採用するような会社だったら、技能実習だったら20人で管理費70万とか払っていたりするので、その分專門の担当を1人貼り付けて、支援機関とか使わないで直接採用できればかかるお金は同じでも、労働者の満足度は上がる。

 

試験回数が少ないことだけが課題の外食

飲食料品製造と同じで、現地語でコンピューターテストで実技なし。残念なのはテストが年2回しかないため、落ちたら終了。飲食料品製造をすべり止めで受験する人も出て来るでしょう。

 

何か勘違いしている宿泊業

自動車整備と同じくらいのハードルがありそう。日本語で筆記&実技。試験は年に2回。全旅連がフライングしてベトナムの有名大学と提携して、最低賃金で採用しようなんて記事がありましたが、その時点からかなり思い違いしている感じがありました。

ハードルを上げれば優秀な人が来ると思っているのかもしれませんが、給料も同じく上げた場合です。給料が同じなら外国人が飲食料品製造や外食ではなく、ハードルの高い宿泊業を選ぶ理由は全くありません。

ハードルを上げてしまった分、対象者はN3以上の元留学生か元技能実習生に限られ、ほとんどは年に10回も試験のある飲食料品製造に先に合格していくでしょう。外食も年に2回ですが難易度が低そうなので、そちらも受けるでしょう。もし仮に飲食料品製造が給料16万、宿泊業が19万なら、「宿泊業の試験も受けてみるか」となるかもしれません。

製造業はハードルを上げても18万や20万払えるところは多いとは思いますが、最低賃金を期待している宿泊業が同じくらい出せるところはかなり限定されるでしょう。

人数を20人くらい登録支援機関を使わず直接採用するのなら、技能実習で70万円の管理費を払っていた分を給料に回すことで技能実習生より日本語ができる人が採用できるところもあると思います。

 

LADECOでは宿泊業に特化するつもりですが、飲食料品製造や外食をすべり止めで受けるようにしなければ候補者ともにリスクが高いです。

 

介護は技能実習の失敗から立ち直るか

介護は日本語試験と技能試験の他に、介護日本語試験があります。そのため難易度がダントツに高いかと思いきや、技能試験も現地語でコンピューター、実技なし。介護日本語試験もコンピューターで、筆記から実技まで日本語の宿泊業よりもハードルは低く感じ、年に6回程度の試験なので、非常に現実的になっているように思います。

介護は技能実習で欲の皮のつっぱった人たちがフライングしたおかけでベトナムでは大変評判が悪く募集は半端なく難しいと聞いています。特定技能でもそういう人たちは出てくるでしょうが、EPAや介護留学、技能実習やインターンなどあらゆる面から外国人の採用に真摯に取り組んでいる方々も他の業界よりも多い印象です。

介護は23~25万くらい給料出さないと来ないと言う人もいますが、それが本当なら介護よりもハードルの高い宿泊業はいくら出せば良いのでしょうか?

 

技能実習での反省を生かそうとしている建設もハードルが高い

建設業はトラブルだらけで、建設だけはやらないという監理団体や送り出し機関も多いです。そのため、建設業は独自の協議会や支援機関を作って、給料がちゃんと日本人と同等かとか法律を遵守しているか厳しく確認するという気概が伝わってきます。

でも技能試験のハードルが宿泊業と同じくらい高そうですね。どんな人がこれを乗り越えていくのだろうか。今、大学を卒業してエンジニアとして日本に行く人たちもN4とるのにヒイコラ言っている人が多く、全然取れない人もいますが、それに加えて日本語での技能試験。

対象者が技能試験も日本語テストもいらない元技能実習生しか考えつかない。建設エンジニアの給料がN4くらいで18万が多いので、在留資格が難しいとはいえ同じならエンジニアで行きたいという人が多いはず。建設業の日本人と同等がどのくらいかわかりませんが、建設業なら出せそうですね。

 

まとめ。最初の表に想定対象者を追加しました。

業種 言語 学科試験 実技 頻度 開始時期 想定対象者
製造業 現地語 筆記 あり 1回/年 H31年中 工業系大学卒業
ビルクリーニング 日本語 なし 実技 1~2回/年 H31年秋以降 元留学生、別の職種の元実習生
農業 現地語 コンピューター試験 なし 2~6回/年 農業大学出身者
自動車整備 日本語 筆記 あり 1回 自動車整備技能検定3級レベル なし?
漁業 ルビ付き日本語 コンピューター(○x&選択) あり(写真&イラスト) 3回/年 H31 年度内 なし?
飲食料品製造 現地語 コンピューター試験 なし 10回/年 H31年10月~ 元留学生、別の職種の元実習生、高卒
外食 現地語 コンピューター試験 なし 2回/年 H31 年4月から国内&海外 元留学生、別の職種の元実習生、高卒
宿泊 日本語 筆記 あり 2回/年 H31年4月は国内。それ以降は海外 元留学生、別の職種の元実習生、高卒
介護 現地語 コンピューター試験 なし 6回/年 その他に介護日本語の試験がある。
建築 日本語 あり あり 1~2回/年 建築の大学卒業生?