特定技能2号は現場監督級。宿泊業は支配人級でしょうか。

特定技能2号は現場監督級。宿泊業は支配人級でしょうか。

特定技能の対象者は単純労働者ではなく、上の写真のような人材なのかもしれません。

 

産経新聞から気になる記事が飛び込んできた。

特定技能1号とは、「宿泊業」の場合だと、一定の日本語能力を持っていて(それがN3になるのかN2になるのかはまだ発表されていません)、宿泊業4団体で作る「一般社団法人宿泊業技能試験センター」を突破した人たちが最初の5年間働ける在留資格。

特定技能2号は、1号で5年間を修了した人が何らかの試験を受けたり、条件を突破すると在留できる資格。この2号の在留資格を得ることのできる条件が「現場監督級」だという。宿泊業だとどうなるのか。「支配人級」でしょうか。

永住権を取らせないための方法でもあると思うし、いよいよどうなってしまうのか不安です。

今、留学生だとか、海外の大学を出た外国人だとかが大量に日本で就職している在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。この在留資格は今までのところ、行政書士などが作文さえうまく作ってくれればそれなりに出ていた在留資格で、何回でも更新できるので、10年以上でも働きたければいくらでも働けます。

問題なのは、「専門の教育を受けて経験もある人を採用して、設計とか開発をやってもらいます」と入管に提出する書類に書くのですが、実際には単純労働ばかりのケースが多い。技能実習生で監理費を月々3万円とか払いたくなかったり、技能実習だと問題はいろいろあるものの実習生を守る制度にもなっているし、監査が来たりするので好き勝手できないので、そういうのを避けたい会社が悪用するケースがあります。

そういうのが目立ってきて、今は結構不交付も多くなってきていますが、「ある程度の専門性を持った人」が特定技能1号で入ってきても、2号に進める可能性が限りなく低ければ、メリットが全然ないため、今までのように何回でも更新できる「技術・人文知識・国際業務」で入国してきたほうが得でしょう。

今回の特定技能は、技能実習での単純労働の代替というより、「専門性の高い仕事」のために許可されたのに単純労働に使われてばかりいて長年滞在される「技術・人文知識・国際業務」の交付を少なくしようという狙いもあると思います。

そう考えると、宿泊業ではなかなか中国人以外が今までは在留資格を得ることができる業務が少なかったのが、ベトナム人とか様々な国の人に機会がでてきそうです。

ただ、いままでの「技人国」ではハードルは高くても、いくらでも滞在することができたのですが、今回の特定技能はほとんどの場合5年が限度になりそうです。

外国人にとってハードルだけ上げて日本に来るための入り口の努力がすごく必要な割に5年後の将来の展望が描けないようなものであれば、この制度で日本で働きたい人を見つけるのは困難のように思います。

ベトナムをはじめ東南アジアの国々の人たちは日本でなくても台湾や韓国だけでなく、タイ、マレーシアなど仕事によっては日本と同じかそれ以上に給料が高いところもあるし、中東やヨーロッパ、北米という選択肢も出てきているので、努力がすごく必要な割に将来の展望がない日本は、この制度をきっかけに見放される可能性もあります。

宿泊業や外食業で言えば、日本語を練習したい人には良い環境なので、日本語学科を卒業した人とかが2〜3年、経験を積むためにワーキングホリデー感覚で来るかもしれません。ただ、ワーキングホリデー感覚で5年間は長いでしょう。

そもそも日本に目を向けていても将来の展望が描けないとわかった時点で、日本語を専門に勉強する人もいつかのタイミングで来そうです。

私も長年知人のホテルを冬休みに手伝ったり、日本やベトナムのホテルで働いていた経験もあるのでこの特定技能でベトナム人を送り出してホテルの役にたってインバウンド活性化の一撃になればと思って、準備しているのですが、このままの流れだと募集はかなり難しくなりそうです。

集められないことはないでしょうが、送り出し機関よってはよく説明しなかったり、嘘をついて集めて来るでしょうから、日本に行ったときの問題も多発しそうです。

想定する候補者は宿泊業の場合は、大卒が好ましいでしょうが、22歳で卒業して5年間も日本にいると27歳で、結婚とか女性であれば出産、両親の面倒とかいろいろなイベントが出て来る年頃です。一度入国したら5年間いなければならないという制度なら思いとどまる人が多いでしょう。5年間過ごして27歳になっても、その先の展望がかなり制限されてしまうのもわかっています。

募集が容易なのは18歳とか20歳くらいの高卒でしょう。5年間日本に行っていたとしても23歳や25歳。大学へ行くかわりに、日本で仕事しながら勉強しに行ってきたつもりであればなんとかなんとか我慢できる時期でもあると思います。

本当にベトナムで日本語が第一外国語になって小学校とかから教えるようになれば、高校卒業時点でN3レベルとかもたくさんでしょう。ただし、こちらのニュースは2016年3月のニュースで、小学校3校で日本語の授業を試験的にはじめたとのことですが、2018年も終わりの今、本格導入されたかどうかわかりません。子供や高校生とかで日本語が少しでも話せるような人にまだ会ったことがないので、まだ先の話かもしれません。

ホテル業界では人手が数万人単位で不足というので外国人を多く入れる制度だと思っていましたが、数万人どころか数百人すら希望者でかつ資格を満たせる人がいるのか不安です。

1年前位に介護が数万人入国することを期待していたのが業界全体でコケたことが頭をよぎります。日系4世で入国した人が2人しかいないとか。

特定技能で採用して掃除をやってもらったり、食事の準備や片付けなどで複数人採用したいと考えられている方は考え直した方が良いかもしれません。

掃除は技能実習生のビルクリーニングで。特定技能は将来の外国人支配人候補として少数だけ採用して育てて行くように使い分けが必要のように思います。そう考えれば、それはそれで良い制度なのかもしれません。