コロナの収束後、ベトナムからの実習生たちを入国させても感染は大丈夫か(2)

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前回の投稿に続いて、面接や技能実習生の入国ができるようになったときに、いい加減なコロナ対策しかしていない東南アジアの国から日本に入れて大丈夫なのか?という心配に答えるため、ここでは、中国でのコロナウィルス発生からベトナムが行ってきた対策を時系列でお伝えします。

日本では最近まで多くの人が「年寄りの風邪」という認識で、私も最初はそうでしたがベトナムでは最初から「死のウィルス」という認識で、政府も1月末の時点から「これは戦争だ」と言っていました。

国境を封鎖して学校を休みにしたり隔離や鎖国など先手先手で手を打っていたのを我々は「やりすぎ」と見ておりましたが、世界中が感染者や死者が増加して手おくれになってからベトナムと同じような対策をするようになってきました。

ベトナムがこのような危機感を持っていた理由としては、17年前のSARSの経験と、自国の医療体制の貧弱さがあり、感染者が増えればすぐに医療は崩壊してしまう認識から最悪のシナリオを想定しつつ、先手を打ってきたようです。

2003年に世界で最初にSARSの封じ込めに成功

ベトナムは最初の患者発生から3週間でSASを封じ込め、SARS封じ込めに成功した最初の国でした。死者は国内ではゼロでしたが、SARSを最初に発見したイタリアの医師自身が感染してしまい、国際会議に参加するために訪れたタイでなくなっています。

ベトナムのSARS制圧はこのイタリア人医師や日本の助けもあり、早期に制圧に成功した要因として日本中医師会のウェブサイトでは、

患者をすばやく発見し、その行動と接触者を調べ上げたこと、患者の病院隔離が効果的に行われたこと、患者を治療する医療従事者に対する防護が適切に行われたこと、SARSが疑われた人たちを徹底的に洗い出し隔離を行ったこと、タイムリーで正確な情報提供が関係者や政府の間で行われたことなどが、SARSの封じ込めに成功した要因とされています。

と書かれていて、現在ベトナムがコロナ対策で行っていることと全く同じです。

ベトナムの対策時系列

1月

1月21日

ベトナム保健省が新型コロナウィルスによる肺炎予防の注意喚起

1月28日

・首相指示第5号/CT-TTgを交付。副首相を対策指導委員長として任命。保健省は予防、医療スタッフや医薬品、機械設備の確保、予防策に関する国民への情報周知を指導。

・緊急センターが発足し、緊急措置を適用して対策。
1000人規模が感染する状況を想定して対策シナリオ策定。

・ベトナムと中国の感染地域を結ぶ航空路の一時停止。
中国、ラオス、カンボジアと国境を接する、または国際港、国際空港のある省・市の地方自治体は入国者を監視し、感染が疑われる人々を医療施設に収容。

・感染地域へのツアー、感染地域からの観光客の受け入れを停止。

1月30日

・中国の感染地域までを結ぶフライトを一時停止。
・感染地域へのツアー及び、感染地域からの観光客受け入れを停止。
・すでに入国済みの中国人観光客の送還を決定。
・中国人への観光ビザの発給を停止。
・ベトナムと中国の国境における商取引を制限。中国に貨物を輸送した全ての運転手が14日間の隔離措置を受ける。
・両国をつなぐ小道を通行禁止。
・越中間の労働者の受け入れや送り出しを停止。

この時点で感染者5名。2人は中国人観光客、3人は武漢に研修に行っていた日系企業の社員。

2月

2月1日

・首相が新型コロナウィルスの流行を発表。
・関連機関は警戒を強化し、各施設で消毒を行うほか、公安や軍の施設も利用し、仮設病院を設けるなどして感染疑いのある人々の特定、隔離、治療などに当たる。
・2月1日13時以降のベトナム~中国間の運航を停止。
・学校の休校を決定。施設内の消毒を義務化。
・開催中、開催予定のすべての祭りを停止、中止。会合やシンポジウムなどの多くの人々の集まるイベントの開催も控えるよう要請。
・空港や観光スポットなど医療用マスクの無料配布開始。

2月3日

・ハノイのホアンキエム湖および周辺地域の歩行者天国や文化スポーツ関連活動中止。
・中国との国際鉄道路線の運行を一時停止
・人民委員会は下記のことを指示
◇医療設備と医薬品・器具の準備、
◇市民への情報周知、
◇感染流行地域からの入国者に対する14日間の隔離、
◇区・郡レベル医療機関での健康診断実施
・公共施設の消毒作業を実施。
・ノイバイ国際空港で24時間体制の利用客の検疫。

2月5日

・保健省、新型コロナ感染者の治療費を全額無料に
・一部学校はオンラインで授業継続
・ホーチミンで接客業のマスク着用を義務化。

2月7日

・医療マスクや医療品、医療品の原材料の輸入完全を免除。

2月10日

・中国で働く労働者がチャーター便で帰国。14日間の隔離。
フード宅配サービスの利用者が増え、ゴーベトの売上高が2倍。

2月12日

・感染疑いや、感染者との濃厚接触で隔離されていた人数がゼロに。

2月13日

・武漢に研修に行っていた日系企業の社員から感染者が広がり、感染者が11人となったソンロイ村(人口1万人)を封鎖。健康診断を行い自宅隔離。24時間体制で警戒。
・村民には生活費を支給し、移動販売車を稼働させる。

この時点でのベトナムでの感染者は16名。うち11名が日系企業の社員が住むこの村の住人。
テトに中国へ戻った中国人労働者が約5110人隔離中。

2月15日

・国内に滞在している間、フライトがなくなった中国人の帰国を支援。

2月17日

・コロナ対策でオンライン決済を普及させるため、決済手数料の減免を指示。現金からの感染を減らす目的。

2月18日

・タインホア省では23日間、カインホア省では30日間、それぞれ新規感染が確認されていないため、両省で終息宣言。

2月24日

・韓国からの入国者に健康申告を義務付け。
・韓国・テグからのフライトで1人が発熱していたため同乗していた韓国人、ベトナム人入国者80人を隔離
・各航空会社がベトナム~韓国線の運航を一時停止、便数を削減

2月25日

・国内感染者16人が全員完治

2月26日

・学校がずっと休みだったため、学期の終了時期を半月から一カ月延長
・ベトナム国内で新型コロナウイルスの検査が可能な病院や研究所などのリストを公表
・韓国のテグ市と慶尚北道からの入国者、経由での入国者を入国拒否の対象とした。
・それらの地域からの航空機はすべて、クアンニン省、ビンディン省、カントー市のいずれかに着陸する。
・中国の感染地域からのベトナム人は国際国境検問所経由でのみ帰国を認めるが、帰国後14日間隔離。
・ベトナム観光協会が旅行会社に対し、韓国、日本、イタリア、イランからのインバウンドツアーを停止するよう指導。アウトバウンドツアーも自粛。
・韓国から帰国したベトナム人全員に対し、国の施設での14日間の隔離措置を適用することを決定。

この時点で新型コロナ感染疑いは31人―5675人隔離中

2月27日

・米国疾病予防管理センター(CDC)がベトナム当局が実施している対策を評価し、ベトナムを「市中感染のリスクがある目的地(Destinations with Risk of Community Spread」のリストから外す。

2月29日

・韓国人のビザ免除措置を一時停止
・イタリアとイランからの入国者、または経由で第三国から入国した人に対し、健康申告と14日間の隔離措置を適用

3月

この時点での新型コロナウイルス感染の疑い例は115人。隔離措置を受けている者は計1万0089人(病院156人、施設隔離4810人、自宅隔離5123人)

3月3日

・イタリア人に対するビザ免除措置を一時停止
・ベトナム科学技術研究所が新型コロナ検査キットの開発に成功。検査時間80分。精度はWHOの利用しているものと同水準。量産化の前に中央伝染病衛生研究所をはじめとした独立系機関の審査・評価が必要。

3月4日

・ベトナムの新型コロナ予防の歌、米国TV番組で紹介される
・封鎖していたソンロイ村の封鎖が20日ぶりに解除。
・カンボジアからホーチミン経由で日本に帰国した日本人が感染していたため、折り返しの便に乗っていた乗客51人と乗務員12名、グランドスタッフ8名、空港セキュリティ2名、ビジネスクラスラウンジスタッフ4名が隔離施設に移された。乗り継ぎ客22名も別途隔離。

3月5日

・ベトナム航空が越韓間全路線の運航を一時停止
・4日に感染していた日本人が搭乗していた同じフライトに乗って入国した乗客をすべて特定し、隔離施設へ移動。乗客たちの入国後の移動ルートを調査しており、接触者を隔離するため追跡。

3月6日

・企業各社を支援する財政・金融刺激策に関する指示第11号/CT-TTgを公布
‐べトナム国家銀行(中央銀行)は約1兆1700億円の金融刺激策を早期に策定・導入。商業銀行各行に対し、融資審査の所要期間を短縮させ、新型コロナウイルス感染症による被害を受けた融資先に利息の減免や借金返済スケジュールの調整を行うよう指導。
‐財政省は約1400億円の財政支援策を早期に策定。一環として、新型コロナウイルス感染症による被害を受けた企業各社に対する公租公課の減免、納税や土地賃貸料支払いの延期を行う。
‐ベトナム社会保険機関は、新型コロナウイルス感染症による被害を受けた企業各社に対し社会保険料の納付を延期し、それについてガイダンスしなければならない。

3月7日

・ベトジェットエアがベトジェットエア、越韓間全路線の運航を一時停止
・EU諸国とカンボジアから入国、または経由で第三国からベトナムへ入国する人に対し、健康状況の申告を義務付ける。
・17人目の感染者。イタリアへの渡航を隠して入国。専属運転手とおばも感染。家政婦5人隔離。この女性と接触した医師ら17人も病院で隔離。女性の自宅周辺は封鎖し保健当局により消毒。
・18人目の感染者。タイビン省で韓国帰り。帰国後に即隔離施設に隔離されていた。

このあたりから、17人目の感染者と同じフライトで感染していた外国人観光客やその訪問した先の接触者などへ感染が拡大しました。感染していない観光客も観光地まで追跡され、隔離を言い渡されました。

こちらは観光中のところ、追跡された隔離を言い渡され、施設につれていかれる観光客です。

こちらのイギリス人の女性3人は、ハロン湾を観光中に追跡され隔離を言い渡され、隔離中の生活を1時間おきにインスタグラムにアップしていることをBBCで紹介されたものです。

終息しそうな緩い空気になっていましたが、17人目の感染者が出た地域が封鎖されたことで、一部でパニック買いなども起こったが、政府の指示で在庫数倍作戦で落ち着いた。緩い空気が一転して、政府も国民も警戒感が高まった。

3月8日

・10人の感染確認。すべて17人目の感染者と同じフライトの同乗者。

3月10日

・全国民に健康状況の申告を義務付け
・EU加盟国及びイギリス人へのビザ免除措置停止
・首相が虚偽の健康申告を行うなど「病気を隠す」行為を厳格に処分するよう指示した
・多くの観光地が消毒などのために営業を一時停止
・ハイフォン市カットバー島では、10日から遊覧船と宿泊施設の全てが営業を一時停止
・バリア・ブンタウ省コンダオ島でも、地元当局が観光客の受け入れを一時停止
・クアンナム省ホイアン市では、10日から複数の観光スポットが営業を一時停止
・ホーチミン市が郊外に新型コロナ集中隔離施設2か所を設置。これまでも軍の施設で37000人まで収容可能でしたが、感染拡大を受けて増やす準備をはじめました。
・クアンニン省が新型コロナ感染の英国人2人の移動ルートを公表。接触のあった人々を特定し隔離
・ベトナム航空が全帰国便で機内消毒を実施

3月11日

・ハノイ市が新型コロナの隔離対象者に1日460円支給。ハノイではこれまでに約7500人が隔離措置を受けており、うち5000人以上が隔離期間を終了、2300人以上が現在も隔離措置を受けている。

3月13日

・ベトナム国内の複数のゴルフ場が営業停止

3月15日

・シェンゲン圏、英国からの入国を一次停止。過去14日以内に通過した観光客なども入国停止。
・全ての外国人に対し、アライバルビザの発給を停止。

このあたりから2次感染や海外からの帰国者などで感染者の数が増える。

3月16日

・ベトナムに入国する際に健康申告をしない場合や虚偽の健康申告をした場合、隔離に従わない場合は厳格に処分するよう指示
・映画館やカラオケ、マッサージ店に一時休業命令
・F1ハノイグランプリ、開催延期
・公共の場でのマスク着用を義務付け
・ベトナム航空、新型コロナ感染者が虚偽申告なら恒久的な搭乗拒否
・サイゴンコープが宅配サービス強化、在庫も4割拡大。SNSでの注文も受け付け。

3月17日

・ハイフォン市が外国からハイフォン市内に入るベトナム人および外国人に対して、集団隔離措置を講じる旨の通達
・ベトナム祖国戦線、国家規模の新型コロナ対策寄付運動を始動

この時点で集中隔離施設88か所に6900人が収容。大半が外国人。地方の隔離施設には2万1000人余りが収容されている

3月18日 事実上の鎖国

・ベトナムに入国する外国人に対するビザの発給を停止
ベトナム祖国戦線、国家規模の新型コロナ対策寄付運動を始動査証免除者などに対する証明書の提出要請
ベトナム祖国戦線、国家規模の新型コロナ対策寄付運動を始動新型コロナ検査キット量産体制が整う。10か国以上から注文が入っている
・ビナミルクが新型コロナ検査キット調達で4600万円を寄付
・欧州やASEAN諸国などから6800人が駆け込み帰国。即隔離。
・ハノイ市が新型コロナ警告マップ・隔離監視アプリを導入。感染者や隔離措置を受けている人々、完治し引き続き経過観察が必要な人々を監視することが可能。対象者が指定の場所から20~30m離れると、本人、その家族および当局者の携帯電話にアラートメッセージが届く。ハノイ市の新型コロナウイルス警告マップも搭載され、感染者や接触者、接触者の接触者の居場所、隔離されているエリアなどを確認できる。
・安全を求めて流行国から帰国するベトナム人留学生や越僑(在外ベトナム人)が急増し、感染源が増える可能性が高いとして、3月31日まで外出を控えるよう求めた。生活必需品を除く市内の店舗に対し、必要でなければ一時休業するよう呼び掛け。
・流行国から入国し隔離対象となった人々が有料で宿泊施設に滞在し隔離措置を受ける事業について、現在までに市内のホテル7軒が受け入れを希望

3月19日

・感染者が85人になるが、ほとんどが海外からの帰国者で入国後即隔離されている。
・SMSによる新型コロナ対策募金がスタート。夕方までに14億円が集まる
・グラブ、新型コロナ対策で「非接触デリバリー」サービスを導入。
・ホーチミン市がマンション2か所を封鎖―全住民約2,000名を隔離。
・学生寮を帰国者の隔離施設にするため、寮生1000人が一時退寮
・パニックを防ぐため、スーパーの備蓄量は通常の3倍確保

3月20日

・ハノイのバックマイ病院でクラスター発生
・クアンニン省が国内外の新型コロナウイルス流行地域から来た者に対し、国籍を問わず、隔離措置を適用。同省に繋がる各ルートに10か所の医療検査所を設置
・ベトジェットエア、国内線の乗客に新型コロナ対応保険を無料提供。
・ホーチミン市がモスク5か所を封鎖。信徒がマレーシアの大規模イスラム教イベントに参加し感染。信徒が住んでいて通っているモスクのあった路地内の全住民725人が自宅での隔離措置

3月21日

・全ての国からベトナムに入国する者に対して14日間の隔離措置を適用
・ホーチミン市がマンション3か所を封鎖。全住民を隔離。感染者の濃厚接触者は隔離施設へ。そのほかの住民は自宅隔離。
・ホーチミンの隔離施設内に医療従事者の有志で無料売店オープン。

3月22日

・全ての外国人のベトナム入国を一時停止。ベトナム系の人や親族訪問者に対する査証免除書の保有者の入国についても停止

3月23日

・ベトナム航空、4月末まで全ての国際線を運休
・タンソンニャット国際空港がベトナム人の帰国受入を1週間停止。帰国者を隔離するホーチミンにある隔離施設が満員のため。

3月24日

・グラブ、ホーチミンで買い物代行サービスを試験導入
・3月7日以降に入国した人のリストを作成し、必要な場合は医療観察や隔離をすることを要請。日本人も対象。実際に隔離となった日本人もいる。
・ホーチミン市が市内における30人以上の規模の飲食店、ビリヤード場、ジム、スパ、理髪店など全てのサービス施設を営業禁止
・フック首相が不要不急のサービスは一時休止求求めた
・コメ輸出一時禁止、新型コロナ対策で食糧安全保障を確保
・新型コロナ対策向け募金運動、1週間で18.7億円調達

3月26日

・ダナン市が3月1日以降の入国者全員に新型コロナ検査を実施
・ハイズオン省が文化・観光・娯楽活動を一時停止
・トゥアティエン・フエ省が娯楽施設、観光施設、および全てのカフェの営業を一時停止。10人以上で集まることを自粛し、極力外出しないことを求めた。

3月27日

この日からエッセンシャルではない店の営業が禁止となり、公共交通機関なども停止や減便、送り出し機関の教育も禁止となり、4月1日からの「全国民自宅待機」につながります。その詳細はまた別に投稿します。