ハノイの日本大使館での特定技能説明会に参加してきました

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結論から言うと新しい情報はなかったです。ベトナムでの試験日程などはまだまだ未定。しかし、推薦者表など、MOCに出てきたもので、ちょっとイメージがつく説明がされていた部分はありました。

 

推薦者表について

ベトナムから特定技能を採用する場合は、送り出し機関を通して求職者を募集することとなります。送り出し機関は就労が決まった人をベトナムのDLABを通して、推薦者表に登録して、推薦者表に載っている人だけが日本での在留資格の申請手続きができます。

国内にいる留学生が卒業後、技能実習生が2号修了後に特定技能に切り替える場合は、送り出し機関は必要ありません。雇用契約を結んだ後、ベトナム大使館で手続きをして推薦者表に掲載してもらいます。

おなじみのこちらの図ですが、赤字で書かれているところが、「ベトナムルール」となります。

 

<個人的な感想>

個人的な感想としては、日本でベトナム人の特定技能に取り組もうとしている人材紹介会社は国内にいる技能実習生だけを狙った方が良いのではと思います。一度帰国してしまえば送り出し機関を通さなければならず、お金もかかり手続きも複雑になる可能性があります。日本にいる間に採用できれば大使館で手続きするだけです。一時帰国したかったら在留資格を変更してから帰れば良い。(その間に戻ってこないことも考えられます)。

現在ベトナムに帰国している技能実習生修了者たちは、まだ日本に行く人たちが少ない時代の人たちなので、多くはありません。しかし近年は2017年だけで、現在帰国している技能実習修了者と同じくらいの人数が毎年日本に行っていて、今年から大量に終了していきます。

(参考データ)2017年だけでそれ以前の2015、2016年の2年分に匹敵するくらいの技能実習生が入国。それより以前の入国者は人数も少なく、再度長期で日本で働きたい人の数は少ない。

2010年  2000人
2011年  4000人
2012年  6600人
2013年  7500人
2014年  13000人
2015年  25000人
2016年  35000人
2017年  55000人
2018年  68000人

特区で技能実習2号修了者を募集した経験としては、帰国して半年以上、1年以上たっている人は仕事を始めたり、結婚して子供ができたりして再度日本に行きたい人は少なかったです。帰国して半年以内の、海外での刺激的な体験をまだ覚えていて、身軽な状態の人だけが多かったです。

そのため、「まだまだ日本で働きたい」と感じる期間としては、まだ日本にいるうちが圧倒的に多く、帰国してもいろいろ不安で帰国ために荷物まとめたりいろいろ手続きするのもめんどくさい(ベトナムに住んでいる私がその状態)と感じているときが、一番採用しやすいかと思います。人間は変化がめんどくさいので、母国へヨイショと帰国した後にまた海外行くというのは行きたいと思ってもなかなか思い腰を上げられないものです。それなら日本に今住んでいて、「帰るのがめんどくさい」「一回帰ったらまた戻ってくるのが大変」と思っている間に話をつけた方が良いでしょう。

しかし現在実習中の企業や監理団体にとっては、自分たちが苦労して面接から教育、実習中の様々なトラブルに対処して3年以上かけて育てた実習生修了者を、ポッと出の人材紹介会社などにそうやすやすと連れていかれたくないと、自分たちの利益になる形にしていきたいと考えるかもしれません。その辺がどんな形で落ち着くかはわかりませんが、留学生にしろ、技能実習2号修了者にしろ、国内で募集する方が圧倒的に可能性があると思います。

 

費用負担について

MOCにも書かれていた通り、日本語や技能試験のための研修の学費、試験の受験費用、入国や帰国時の航空券、紹介料や手数料などの費用負担は今後の日本とベトナムの話し合いで決まります。

技能実習と同じように送り出し機関を通して本人たちに借金させて負担させれば良いと思って、日本企業に安い紹介料の見積もり出しているような人材紹介会社は泣くことになりそうです。

人材紹介会社を通して採用する場合は、送り出し機関への支払いも含めてやはり年収の25~30%くらいなければ難しいのではと思います。国内の人材紹介の費用を少なくして、支援費で回収するようなことも考えられます。

 

技能試験について

DOLABによる送り出し機関の選定、費用負担のガイドライン作成などが済んだ後、秋以降に試験が実施される予定とのことです。

ベトナムのDOLABのザン部長によると、試験はコンピュータ試験ですぐに結果がわかるとのこと。どの業種の話かはわかりません。

これが本当なら免許の試験のように、1週間に1度や1カ月に1度など毎週受けることができるような環境になれば、0から日本語と技能試験を勉強させて、技能実習ではなく特定技能で送り出すことも現実的になるかもしれません。

ベトナム人の方も今まで低い給料で我慢してきた人が多いため、「日本人と同等の給料」と期待が膨らんでいる人も多いようです。ただし、こちらの人の「日本人と同等」は20万前後(あるいはもっと)を期待しているので、宿泊業とか日本人でも13万とか、パートの最低賃金を「日本人同等だから良いでしょ?」みたいなのはダメでしょう。

 

特定技能を扱える送り出し機関について

最後のQ&Aで日本人の方が、「特定技能を扱える送り出し機関は技能実習と同じか?それとも別のライセンスができるのか?」という質問をされていました。

今回は通訳が労働関係の日本語を良くしらない方だったので、回答を全然理解できませんでしたが、同行した社長によると、「基本的に同じ。しかし悪質なのは除かれる」とのことですが、「優良送り出し機関」と大使館に認定されているところにも超悪質なのが混じっているため、何を持って悪質かは不明です。積んだお金の額で優良悪質判定される可能性もなくはないと思います。

 

<全体の感想について>

ベトナムとしては結構本気で特定技能に取り組もうとしているのではないかと感じました。ベトナム政府には特定技能に協力する代わりに日本に他の分野でいろいろな要求を飲ませる外交をする良い意味でのしたたかさがあるため、まだまだ時間稼ぎをしてベトナムを最初からアテにしていた日本側をやきもきさせて、他の分野の外国を有利にして、他の国にいいところを持っていかれない範囲にしてその間に時間をかけてガイドラインで費用負担とか、テスト環境とか、手続き方法などきちっと決めてからスタートさせたいのではと感じました。

送り出し機関の立場としては、2号修了者でもう一度日本に行きたい人を募集するのは砂漠で1円玉探すように大変な上、ようやく見つけた人も競争で他の会社に取られてしまう状態で労多くして得るものが少ないというかない、いや、持ち出しになってしまう状態ですので、取り組むとしたら、安定して技能試験や日本語試験が受けられるようになった場合にゼロから育てていくことかなと思っています。