特定技能の採用方法

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日本と外国での日本語学習者をネットでつないで日本語学習や練習の機会を提供している方から、介護の特定技能の研修についての相談がありました。介護は弊社としてはやるつもりはありませんが、話していて大変良い視点をもらえました。

日本側としては、技能実習修了者か、すでに日本語や技能試験(介護の場合はプラス介護日本語試験)に合格した人の中から面接して採用したいと思いますが、技能実習2号のない職種では、人気の外食業以外無理でしょう。

介護はそもそも人気がないし、宿泊業も元留学生とかは掃除がメインの仕事だとわかったらすぐに辞めたり転職するでしょうし、留学時代の国民年金を払っていないので、在留資格が難しくなりそうに思います。

ネットで日本語学習や練習の機会を提供している会社は介護メインなのですが、やりとりしていて面白い視点を得ることができました。

ベトナムでは介護はそもそも人気がないため、試験合格者を面接しようと思っても100%無理でしょう。

日本語、技能試験、介護日本語、面接と4つのハードルに挑戦してまで、「外国人だから日本人のやらない汚い仕事をやらされる」と思われている仕事に就きたいと思う人はベトナムに存在しません。

唯一の方法は、丁寧に説明をして、給料も他の職種よりも上げて、教育費や教育期間中の生活費などの面倒も見て、人材紹介会社や送り出し機関への紹介料などは全額企業が負担して、本人の負担を限りなく0に近づけることです。

そうやって募集した高校出たばかりの若い人たちの中から、適正試験や面接などをして「確実に日本に行ける」ことを約束します。

ベトナム人は「確実な未来」には努力するが、そうではない状態では努力できない人がほとんどなので、この時点で約束するしかありません。

もちろん全員が合格できるわけではありませんし、脱落者もでてきます。つなぎとめておくためには、他の職種にはない高賃金や無料の手数料や授業料&生活費のサポートなどでつなぎとめておくしかない。

と私は考えていましたが、話した方は介護施設と日本語学習者をつなぐサービスをつくって両方に寄り添っている方なのでまた違う方向でも考えていたようです。

自社で開発したサービスを使って、職員や高齢者たちと定期的にコミュニケーションをとって、自分がここに行く、この人を介護する、この人たちと働く、ということをリアルにイメージしてもらいたいと考えていました。

もちろん理想の状態で、ただでさえ忙しい施設がそこまでできるかという課題はありますが、介護はそうでもしなければ人を採用できない状態だし、入国してからのイメージと実際の仕事のギャップで脱落する人も減らせます。

そもそも介護はなかなか外国人を入れられなかったので、奨学金(という名のローン)介護留学生などをアルバイトで採用し、介護専門学校を卒業できるように学生に勉強教えたり、学生が勉強する時間を確保するために日本人職員が自ら負担を受け入れたりするようなことをやってきたところもあるので、そういうところならこの理想像でやっていけるのかなと思いました。

介護は思いっきり不利な立場にいますが、宿泊業も似たような立場です。人気があるのは、フロント職だけで、応募してくるような候補者は、ホテルや旅館側が想定しているような日本語力を持った人はまずいません。

そのうえ、掃除ばかりやらせていれば「こんなはずではなかった」とすぐに辞めたり転職したり、簡単でも日本語の使える外食業の試験を受けなおすでしょう。

技能実習生の頃は、外国人労働者というと、「〇名ね」と監理団体や送り出し機関に伝えれば、すぐに3倍程度の候補者を集めてきて、現地でチラッと面接して後は観光やお姉さまのいるカラオケへ急ぎ、入国するまで顔も思い出さないことがほとんどだったでしょう。

特定技能の場合は、普通の職種で3つのハードル、介護で4つのハードルを越えさせなければならないため、このネット日本語学習のサービスの方のような考えでなければ、採用は難しく、採用できたとしても定着できないのではと思います。

宿泊業の場合は、日本語を使わないような掃除などが中心の場合は、技能実習をお勧めします。何度も言うように、日本語学科卒業や元留学生などは、日本語の使える仕事を望んでいるので、日本語下手でも日本語が使える環境で使い続けないとミスマッチで辞めてしまいます。

しかし技能実習だと仕事内容に縛りが大きく、毎月監理費をはらわなければならなく、その分給料を挙げられて労務管理などもきちんとできるような会社なら特定技能に挑戦するのも良いでしょう。

その場合は、日本語の使える仕事を希望している元留学生や日本語学科の卒業生ではなく、介護の場合と同じように日本語が何もわからない状態から面接し、自分たちも応援やサポートしながら日本語や技能試験に合格させる方法です。

この方法は元留学生とか日本語学科の卒業生があらかたいなくなった後と考えていましたが、ネット日本語の方との会話で、最初からこれに取り組んでも良いかなと思うようになりました。